いつもブログをご覧いただきまして
誠にありがとうございます。
新製品ACPの評価をいただく機会が
少しずつ増えてきました。
SNS等では
身に余るほどの高い評価の数々に
大変恐縮です。
この場を借りて、お礼申し上げます。
さて、先日のお話ですが
私の気持ちをリフレッシュさせてくれる
貴重な体験をしましたのでご紹介します。
それは知人からの電話に始まりました。
知人
「ALTEC A7を手に入れたい!」
・・・でも少し迷っているようです。
私
『今のデジタル音源の時代に、なぜ?!』
・・・と聞き返します。
そこから、話の内容と経過を聞いて・
私
『それは、手に入れるべきですね!』と
アドバイスをさせていただきました。
みなさまは
『ALTEC A7』というスピーカーシステムを
ご存じでしょうか?
40年前の話になりますが
当時の私が数年間通っていた喫茶店で
出会ったとても思い出深いスピーカーです。
若かった私はこのスピーカーに
「楽器の一音の立ち上がり方や
音の消え際、音楽の瞬間」という
概念を教えられたような気がしています。
とにかく大きくて
デザインが物凄く粗削りなスピーカー。
知人に手に入れようとした経緯を聞くと
『プロのベーシストの方が
ベースギターの音の再現性に拘って
長年育てあげたスピーカー』とのこと。
そんな話を聞いてしまうと
私も興味がわかないはずがありません。
実はこのスピーカー
「Voice of the Theatre」と言う呼び名で
劇場用の大型スピーカーシステム。
今風には映画館のスクリーンの後ろに
置かれるような映画館用のスピーカー。
噂によるとこのスピーカー2本で
3000人収容できるホールの音を
カバーすることができるとか。
歴史は物凄く古いので興味のある方は
下記のリンク先を覗いてください。
https://audio-heritage.jp/ALTEC/speaker/a7.html
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実物を目にして
私
『しかし巨大!そして武骨なデザインだ!』
思わず、40年前を思い出し嬉しくなります。
さっそく軽く数曲聴かせていただきながら
許可を得てから簡単にセッティングです。
そして、思わず・・・
私
『このリアルな低音!
一体何をやったら出るのだろう!
私が知っているA7とは違う低音のようだ!』
そして2時間を過ぎた頃に先程の音は
ほんの序章に過ぎなかったことを
思い知らされることになりました。
長年通電されることがなかったパーツ類に
生気が蘇って来るにしたがって
どんどん音楽にリアルさが増してきます。
『速い!
明らかに生演奏を感じさせてくれる
音の速さと量感です。
そして音の消え際も生演奏のようです。』
ビートルズのポールマッカートニーさんが弾く
バイオリン・ベースが
『こんな凄いテクニックで
こんなにも素晴らしい音を奏でていた』
ということを初めて知りました。
JAZZ演奏では
ウッドベースの胴鳴りは膨らまずに
レンジだけが見事に確保されます。
そして音の消えゆく様は
エンドピン(足)で楽器が浮いた状態を
想像させてくれるところまできています。
『いったいスピーカーの箱の中には
どのような秘密が隠されているのだろう?』
ますます興味が湧いてきました。
スモール・ボディーの
アコースティック・ギターを弾く
関西在住のミュージシャンの方の
泣ける一曲をリクエストするという
我がままをきいてもらいます。
このスピーカーの音を鳴らし始めて
まだ3時間くらいにもかかわらず
このスモール・ボディー特有の胴鳴り!
そして、私の心の中では
『今まで聴いたどの音よりも
一番生を感じられるギターの音だ。』
『5弦・6弦が震え
弦の太さを感じさせながら
とてもクリアーな音を奏でている!』
『これは間違いなく弦を弾く指を
感じさせてくれる音に育つのだろうな。』
自然と
そう・・・つぶやいているのでした。
私も本物に近い
反応の速い音を追い求めて
『デジタル時代の現代が失ってしまった
音楽の瞬間を蘇らせてみたい!』と
強く思ってしまいました。
それでは
音楽でリフレッシュされた私の感覚を頼りに
『次なる新製品の開発』に励みます。